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研究内容Research Topics

1. 核燃料サイクル・元素戦略関連研究

 安全性、経済性に優れた次世代の核燃料サイクル技術の構築に向けて、様々なアクチノイド分離技術に関する研究が進められています。基本的には、特殊な抽出剤を用いた溶媒抽出法と抽出剤を担持させた樹脂・担体等を利用するクロマトグラフィー法に大別でき、汎用性も伝統もあるものです。しかし、これらはマクロな概念(バルク量を操作して統計平均の結果を得る)に基づく手法のため、@二次廃液や廃棄物が発生する、A複雑で多段階(長時間)の操作が必要、B化学的に類似した核種の分離が難しい、といった課題が残っています。 核燃料再処理工場の場合、再処理の主工程以外にも、工程管理・計量管理・品質管理のために多種多様な試料の分離分析を行う必要があり、試薬や分析残液等の大量の低レベル放射性廃液が発生すると推定されています。従って、試料量および廃液の低減化/分離分析操作の迅速・簡便化/被ばく量の低減/に資する新概念の技術の開発が緊縛の課題であると言えます。

 我々は、これらの問題を解決するため、使用済燃料からアクチノイドやランタノイドを高効率・高選択的に分離する新しい分離プロセスの開発を行っています。具体的には、@微細加工技術を使って化学操作・化学装置をミクロ集積化する「マイクロ・ナノ化学チップ」、A周囲の環境変化によって性質が変化する「刺激応答性ポリマー」、Bグリーンソルベントである超臨界流体を中心に研究しています。また、様々な分光分析計測を組み合わせ、アクチノイド・ランタノイドの基礎物理化学的研究も進めています。

  • マイクロ・ナノ化学チップによる放射性核種分離分析 〜手のひらサイズの化学工場〜
  • 元素戦略 〜都市鉱山や核燃料廃棄物から希少金属元素を分離・再生〜
  • 刺激応答性ポリマーの開発と応用 〜環境調和型の金属元素分離材〜
  • 超臨界流体の基礎物性解明と放射性廃棄物資源化への応用 〜廃液ゼロの溶媒〜

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2. バックエンド関連研究

 地層処分システムの安全評価のためには、人工・天然バリア材中の間隙水や核種移行挙動を解明することが不可欠です。これは、地下深部では様々な条件(間隙サイズ,材質,温度・圧力等)が複雑に入り乱れており、地下水との接触に伴うバリア材物質(ガラスやベントナイト)の変性、溶解、それに伴う放射性核種の溶出・収着が懸念されるためです。我々は、バリア材環境を模倣した実験装置を組立て、その内部の水や核種の構造・ダイナミクスおよびそれらが関与する化学反応を、分光分析装置を駆使して解析しています。これらの結果を基に、核種移行のメカニズム解明やモデル化およびバリア材の設計指針の新たな提案を目指します。

  • 地層処分環境下における水・放射性核種の移行挙動解析
  • ナノ空間溶液物理化学

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3. 機能性材料の創製と応用

 多孔体,ミセル,生体膜間のような化学・バイオ材料の機能発現には、材料と液体との界面が重要な役割を果たします。我々は、グリーンソルベントである超臨界二酸化炭素を用いて、放射性薬剤を内包あるいは固定化させた生体親和性ナノエマルジョン、リポソーム、ミセル等の高機能な化学・バイオ材料を創製すると共に、固体と液体あるいは液体と液体の界面領域で起こる分子レベルの現象の解明・制御に取り組んでいます。

  • 超臨界二酸化炭素(ScCO2)によるドラッグデリバリー(DDS)用薬剤調製法

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