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研究内容Research Topics

2.バックエンド関連研究

  • 地層処分環境下における水・放射性核種の移行挙動解析
 地下処分環境で起こる現象は、マクロな概念では類推できない可能性があります。従って、地層中における水や金属イオンの挙動および固体と液体の界面で起こる現象を分子レベルで解明することが不可欠であると言えます。塚原研では、表面近傍の遅い水分子運動を抽出できる低磁場パルスNMRを活用し、ナノ間隙における水および金属イオン(アクチノイド・ランタノイド等)の分子運動や拡散挙動を測定し、表面・界面や空間サイズが水やイオンの挙動に与える影響について解析しています。
 これらの結果は、地層中の放射性核種の移行挙動や存在状態の解明に繋がり、汚染土壌の評価や地層処分健全性の評価の指針を与えると期待されます。また、従来想定されていたガラス固化による地層処分だけでなく、現在問題となっているメルトダウン燃料(デブリ)の処理・処分及び軽水炉使用済燃料の直接処分に向けた基礎・基盤データを提供することができます。

       
 

       



  • ナノ空間溶液物理化学 
 ナノメートルスケールの微小空間(ナノ間隙)に閉じ込められた水は、通常のバルク水とは異なるユニークな性質を有し、様々な物質の機能発現に重要な役割を果たすと考えられています。塚原研では、ナノ間隙の溶液物性について様々な分光学的研究を行っており、どのようにナノ間隙の固体表面が内部の溶液挙動へ影響し、どのように物質の機能を発現させるのか?といった、物質や現象の本質に迫る研究を進めています。例えば、空間サイズが100nm程まで小さくなると、@水分子構造の秩序化(特定の向きに配向する)、A凝固点降下(100℃でも沸騰しない、0℃でも凍らない)、Bプロトン移動が加速する、といったナノでしか見られない現象が起こることを見出しています。これらの成果は、科学誌の表紙を飾るなど、世界的にも注目されています。下図は、100nmスケール空間(拡張ナノ空間)の水分子構造概念図(Angew.Chem.Int.Ed., 2007年2月号裏表紙)。
 また、このようなナノ間隙水の特異性が、地層中の挙動(輸送,拡散,吸着,分離など)、燃料電池膜、細胞膜間のシグナル伝達、タンパク質の構造安定性といった様々な物質の機能発現に与えるメカニズムについても解析しています。

            
           



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